iPod touchのアップグレードが有料な理由

Apple TVとiPhoneのソフトウェア・アップグレードが無料なのに、iPod touchのアップグレードには20ドル必要となる。
これは決してAppleがセコイわけではない。

エンロン・スキャンダル(会計スキャンダル)以来、厳しくなった米国の会計基準が理由だ。

会社の業績を必要以上に良く見せる会計操作をした経営者の責任がものすごく厳しくなった。
それも悪意があるものだけではなく、ちょっとした「見解の相違」でも株主を惑わしたとなれば責任を負わされる。
そのため、多くの企業が極端に保守的な会計報告をするようになった。
特にソフト・ハードを作っているメーカーが気をつけなければならないのが、売上げの計上のタイミングとソフトウェア・アップグレードの扱い。
今までなら、消費者が購入した段階で100%計上してなんの問題もなかったが、新しい会計基準では、ソフトウェア・アップグレードを無料でするのかどうかで、 売上げの計上のタイミングを調整しなければならなくなったのだ。
売上げの100%を会計上計上してしまったハードのソフトウェアを、後から無料でアップデートすると、 その「ソフトウェアのメンテナンス」に相当する部分の売上げを「不当に前倒しにして計上した」とSECから会計操作と見なされる危険があるのだ。
Apple TVとiPhoneに共通するのは、売上げの計上を消費者の購入時にせずに、毎月1/24ずつ24ヶ月間にわたって計上していること。
ジョブズに言わせると「売り切り型のビジネスというよりはサービスに近いビジネスだから」。
その意味では、ソフトウェアのアップグレードを無料でするのは当然なのだ(以下がAppleのAnnual Reportの以下が抜粋)。

During 2007, the Company began shipping Apple TV and iPhone. For both Apple TV and iPhone the Company indicated it may provide future unspecified features and additional software products free of charge to customers. Therefore, sales of Apple TV and iPhone handsets are recgnized under subscription accounting in accordance with SOP No. 97-2. The Company recognizes the associated revenue and cost of goods sold on a straight-line basis over the currently estimated 24month economic lives of these products with any loss recognized at the timeof sale. Costs incurred by the Company for engineering, sales, marketing and warranty are expensed as incurred.

問題は、iPod touch。これに関しては、従来のiPodと同じく消費者が購入した時点で100%を売上げとして計上してしまっているため、 無料でソフトウェア・アップグレードを提供してしまうと、会計基準上「不当な売上げの前倒し」と見なされてしまうのだ。
ということで、「会計上、売上げの前倒し計上と見なされない様にするためには、ソフトウェア・アップグレードを有料にせざるをえなかった」というのが本当の理由である。

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